日本伝統工芸展
日本橋三越本店で、
54回日本伝統工芸展を見た。

日本橋三越本店・7F会場手前から
第54回日本伝統工芸展・図録
今年の展覧会は、例年と何か違って見えた。
審査員が変わったのか?
1)象徴的な作品のひとつは、新しい技術・道具の活用と発想の斬新さ。
a.小島由香子、積層硝子皿「月暈(つきがさ)」。貼り合せと削りの技術。
『 六枚の厚い板ガラスを重ね合わせて接着し、削り込んで成形した作品。皿の内側はマットに、外側は磨いて仕上げている。皿は曲面に作られているため色彩の濃淡ができ、光がガラスを透して、あるいは表面のマットな面に乱反射して微妙な陰影を作りだしている。モノトーンの色調が清澄な空気をよく表現しており、幻想的な美しさを感じさせる。(白石和己)』(図録より)
b.松田典男の螺鈿飾箱「落流」。指先で折る螺鈿片の作成技法。
『 涼感あふれる作。流れ落ちる水流は、指先で折った薄い白蝶貝と線状に切った厚い黒蝶貝の螺鈿で、煙るような瀑布を象徴している。深い被せの蓋をあけると、内部には三段の身が重なる。各段見込みに黄蝶貝を敷詰めて、滝壺を思わせる。色味や輝きの強い貝は用いず、漆黒の地に淡く輝く螺鈿の効果が内外にあふれている。(小池富雄)』(図録より)
2)地味だがすぐれた作品の受賞が目立つこと。
a.神代杉造食籠:加飾のない素材美の追求。
『作者は長年、精緻な木象嵌(もくぞうがん)の技法を探求してきたが、今回はその加飾を一切せず、地の神代杉(じんだいすぎ)の柔らかく優しい素材美を表現した。器形は緩やかな曲線の十弁の輪華で、蓋表は黒や茶の縞模様、側面は木目が細かくそろった材で対比。蓋の稜線や身との合せ目、高台(こうだい)は神代桂(じんだいかつら)で引きしめつつ調和する。高貴な気品に満ち、作者の円熟した心境を示す。(柳橋 眞)』(図録より)
b.釉象嵌波紋鉢:青磁艶消釉削り落とし&青磁光沢釉象嵌。
『青い水面に現れた波に着想を得て、これを巧みに表現した作品である。揺らめく波模様が清廉な印象を与える。波の模様は青磁の艶消釉を削り落とし、線に沿ってさらに青磁光沢釉を埋め込む象嵌の手法を用いている。成形での注目は底の高台。大胆に高台を削ぐことで焼成時に器形の変化を生み、柔らかな鉢のフォルムが生れている。(中ノ堂一信)』(図録より)
c.江戸小紋着尺「二ッ割よろけ毛万」:50年前の型紙使用。
『今から四、五十年ほど前に彫られた型紙を使用。二ツ割毛万がさらによろけまで呈し、これまで横に展開する文様を中心にしてきた作者にとっては大きな挑戦であり、伝統という事柄を強く意識して臨んだという。その思いの深さが筋の細さや間隔にまで行き渡り、“きちんとよろける”という一見矛盾したこの文様の論理を布のおもてにみごとに表した。(今井陽子)』(図録より)
○積層硝子皿/図録

☆ 特に、積層硝子皿だけを見に来た高齢の夫婦がいたが、NHK教育テレビ「新日曜美術館」の影響は大きい。
小島由香子は、初出品で高松宮記念賞というビッグ賞を受賞。この作品を土星の輪のようと表現した人がいる。思ったより小ぶりだが、角度により色々の光が見える。昭和54年生まれ、若い。技法はコロンブスの卵。知ってしまえばどうということのない技法。しかし、従来、ガラス工芸家にはこういう発想はなかった。ところで、外側の削りはどうするのだろう、興味がもたれる。陶芸でも腰などの削りは案外難しいから。
皿の内側はマットに、外側は磨いて。→外から光がガラスを透過し、表面のマットな面に乱反射。そして各色ガラスは斜めにカットされることにより微妙なグラデーションが・・・→薩摩切子などで見られる手法。なかなか緻密な計算がなされている、と素人である私は思う。
54回日本伝統工芸展を見た。

日本橋三越本店・7F会場手前から

第54回日本伝統工芸展・図録

今年の展覧会は、例年と何か違って見えた。
審査員が変わったのか?
1)象徴的な作品のひとつは、新しい技術・道具の活用と発想の斬新さ。
a.小島由香子、積層硝子皿「月暈(つきがさ)」。貼り合せと削りの技術。
『 六枚の厚い板ガラスを重ね合わせて接着し、削り込んで成形した作品。皿の内側はマットに、外側は磨いて仕上げている。皿は曲面に作られているため色彩の濃淡ができ、光がガラスを透して、あるいは表面のマットな面に乱反射して微妙な陰影を作りだしている。モノトーンの色調が清澄な空気をよく表現しており、幻想的な美しさを感じさせる。(白石和己)』(図録より)
b.松田典男の螺鈿飾箱「落流」。指先で折る螺鈿片の作成技法。
『 涼感あふれる作。流れ落ちる水流は、指先で折った薄い白蝶貝と線状に切った厚い黒蝶貝の螺鈿で、煙るような瀑布を象徴している。深い被せの蓋をあけると、内部には三段の身が重なる。各段見込みに黄蝶貝を敷詰めて、滝壺を思わせる。色味や輝きの強い貝は用いず、漆黒の地に淡く輝く螺鈿の効果が内外にあふれている。(小池富雄)』(図録より)
2)地味だがすぐれた作品の受賞が目立つこと。
a.神代杉造食籠:加飾のない素材美の追求。
『作者は長年、精緻な木象嵌(もくぞうがん)の技法を探求してきたが、今回はその加飾を一切せず、地の神代杉(じんだいすぎ)の柔らかく優しい素材美を表現した。器形は緩やかな曲線の十弁の輪華で、蓋表は黒や茶の縞模様、側面は木目が細かくそろった材で対比。蓋の稜線や身との合せ目、高台(こうだい)は神代桂(じんだいかつら)で引きしめつつ調和する。高貴な気品に満ち、作者の円熟した心境を示す。(柳橋 眞)』(図録より)
b.釉象嵌波紋鉢:青磁艶消釉削り落とし&青磁光沢釉象嵌。
『青い水面に現れた波に着想を得て、これを巧みに表現した作品である。揺らめく波模様が清廉な印象を与える。波の模様は青磁の艶消釉を削り落とし、線に沿ってさらに青磁光沢釉を埋め込む象嵌の手法を用いている。成形での注目は底の高台。大胆に高台を削ぐことで焼成時に器形の変化を生み、柔らかな鉢のフォルムが生れている。(中ノ堂一信)』(図録より)
c.江戸小紋着尺「二ッ割よろけ毛万」:50年前の型紙使用。
『今から四、五十年ほど前に彫られた型紙を使用。二ツ割毛万がさらによろけまで呈し、これまで横に展開する文様を中心にしてきた作者にとっては大きな挑戦であり、伝統という事柄を強く意識して臨んだという。その思いの深さが筋の細さや間隔にまで行き渡り、“きちんとよろける”という一見矛盾したこの文様の論理を布のおもてにみごとに表した。(今井陽子)』(図録より)
○積層硝子皿/図録

☆ 特に、積層硝子皿だけを見に来た高齢の夫婦がいたが、NHK教育テレビ「新日曜美術館」の影響は大きい。
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コメント
こんにちは。
訪問有難うご座います。貴兄のブログ拝見しました。
月収300万円とは凄いですね。
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